Healing Classic

Beethoven-04.jpgベートーヴェン
交響曲第9番 ニ短調
Op.125 第3楽章
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「第九」といえばとにかく有名なのが、第4楽章の「歓喜の歌」。また「ティンパニ協奏曲」ともいわれる第2楽章の第1主題や、第1楽章の冒頭もよく知られるところです。
しかしこの交響曲で最も愛らしく美しい旋律は、第3楽章のニ長調の第2主題です。
変ロ長調の第1主題から突如、遠隔調のニ長調に転調して始まるこの調べは、ベートーヴェンの天才が表れた天上的な響きを持っています。

Bach-01.jpgJ.S.バッハ
《マタイ受難曲》から
「憐れみたまえ、わが神よ」
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バッハの最高傑作としてばかりでなく、クラシックの至宝ともされる「マタイ受難曲」は、全曲の演奏が2時間半を超える大作です。キリストが捕らわれてから十字架にかけられるまでが音楽劇で描かれていきます。
預言通りイエスと共にいたことを三度否認した、ペテロの悲しみが表現されたアリア「憐れみたまえ、我が神よ」は、特に美しい旋律で知られます。

Brahms-01.jpgブラームス
間奏曲 イ長調 Op.118-2
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交響曲やスケールの大きな協奏曲のイメージが強いブラームスですが、後期にはピアノ小品をいくつも書いています。小品集でのブラームスには威圧的で大家然とした作曲家ではなく、人生の晩秋に佇み過去を達観する、ひとりの老作曲家の姿が見えてきます。
小品の中でも落ち着いた曲調の作品に、ブラームスは好んで「間奏曲」と名づけました。作品118の「6つの小品集」の第2番「間奏曲」は、現代のヒーリングピアノ曲にもありそうなほどモダンで魅力的です。

Rachmaninoff-03.jpgラフマニノフ
パガニーニの主題による
狂詩曲 第18変奏
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ピアノとオーケストラによる華やかで美しい競演。メロディメイカー、ラフマニノフの実力が遺憾なく発揮されています。
主題となっているパガニーニのカプリース第24番は、リストやブラームスなど作曲家たちが好んで取り上げる有名曲です。しかしラフマニノフは元の主題とは何の関係もないほどのオリジナリティあふれる変奏で聴く者を引き込みます。
フィギュアスケートやCMなどのBGMとしても頻繁に取り上げられています。

Gluck.jpgグルック
「精霊たちの踊り-メロディ」
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「精霊たちの踊り」はグルックの代表的歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》の中でも、特に知られる間奏曲です。A-B-Aという構成のこの間奏曲の、Bの中間部分を抜き出してピアノ編曲したのが「メロディ」。編曲者はリストの弟子だった作曲家ズガンバーティです。
「精霊たちの踊り」の短調部分だけを取り出した編曲はとてもセンスがよく、ピアノの繊細な音色ともよくマッチしています。ラフマニノフの愛奏曲のひとつでもあった珠玉の小品です。
クライスラーによるヴァイオリン編曲版もよく知られています。

1201768487.jpgヴィターリ
シャコンヌ ト短調
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「シャコンヌ」といえばまずバッハの無伴奏ヴァイオリンが浮かびますが、ヴィターリのそれも負けず劣らずの魅力を持った名作です。作曲当時のヴァイオリン技術の粋を集めたような変奏が聴かれ、巧みな転調もあって飽きさせません。
ヴァイオリンと通奏低音のための「シャコンヌ」が原曲で、それを19世紀のヴァイオリン奏者フェルディナント・ダーヴィトがヴァイオリンとピアノ用に編曲。現在の定型となっています。
ここでは楽曲の荘厳さを引き出すために、さらに伴奏をオルガンにしています。

Elgar-01.jpgエルガー
エニグマ変奏曲
第9変奏 二ムロッド
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エニグマ変奏曲はエルガーが親しかった友人たちを描いた変奏曲です。それぞれの変奏に彼らの愛称やイニシャルが記されています。
出版社の営業だったアウグスト・イェーガーのことを、エルガーは二ムロッドの愛称で呼んでいました。第9変奏 二ムロッドには彼に対する感謝が込められています。
変奏曲全体の中でも特に感動的で、単独の演奏機会も多い作品です。

sibelius02.jpgシベリウス
5つの小品 [樹木の組曲] から
第5曲 「樅の木」
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失語症だった美智子皇后のご病状を快復させたピアノ曲です。とにかく美しい。
左手のピアニストとして知られる舘野泉さんは療養中だった皇后の元を訪れ、この曲を演奏しました。その後、皇后ご自身もピアノで弾かれるようになり、それがきっかけでご病状はよくなっていったといいます。
交響曲作曲家として名高いシベリウスは、晩年には大掛かりな管弦楽曲から離れ、こうしたピアノ小品などを中心に作曲しました。もっと知られてもいい名曲です。

Glinka.jpgグリンカ
ノクターン「別れ」
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歌劇《ルスランとリュドミラ》のイメージが強いグリンカ。しかしこんなにもロマンチックなピアノ曲があることは、あまり知られていません。
ノクターンはイギリスの作曲家ジョン・フィールドが創始者とされます。このフィールドが一時期、ロシアで音楽教師をしていたことがありました。
その生徒のひとりがグリンカだったのです。あっさりとしたフィールドのノクターンに、ロシア的感傷性が加わったグリンカのノクターンは、
知る人ぞ知る隠れた名曲です。

*楽曲紹介記事は随時追加していく予定です