ベンジャミン・ブリテン (1913-1976)
Edward Benjamin Britten
エドワード・ベンジャミン・ブリテン OM, CH(Edward Benjamin Britten OM, CH, 1913年11月22日 サフォーク州ローストフト - 1976年12月4日 サフォーク州オールドバラ)は、イギリスの作曲家・指揮者・ピアニスト。姓はブリトン、ブリトゥンと表記されることがある。
代表作としては 歌劇『ピーター・グライムズ』 や 『シンプル・シンフォニー』、 『戦争レクイエム』、 ヘンリー・パーセルの歌劇『アブデラザール』(Abdelazar) から主題を引用した 『青少年のための管弦楽入門』 が知られている。
1910年代生まれの音楽家は、ジョン・ケージのような例外を除いて前衛の時代に馴染めず、また同世代が戦禍の犠牲になるなど不遇の者が多い。そのような状況下でブリテンは、イギリスの保守性を上手く活用し、機能和声語法を突き詰めることに成功した。彼のせいでイギリスの音楽事情は世界から後退したというのは事実であるが、同時にイギリス人の音楽観をこれほど世界中に広めた人物も皆無である。
ただし作品の中で、前衛とまでは言わないものの無調的であったり、機能和声とは逸脱したパッセージを時折覗かせるように、ブリテン本人は前衛への志向も持っていた。自身でも「私はアルバン・ベルクに弟子入りしたいと願っていた。でもベルクの急死で果たせなかった」とコメントしている。
なお、ブリテンは猛烈な反戦主義者であり、イギリスが第二次世界大戦にのめりこむ事に悲観し、兵役拒否の意味合いで一時アメリカに移住したこともあった。帰国後、「良心的兵役拒否」として公的に認められている。
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